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饅頭こわい お茶こわい

本好きのただの日記。こわいこわいで食べ放題。

4歳児のマイクラ日記

4歳の息子がマイクラにハマった。
言わずと知れたマインクラフト。まさか4歳児がこれほどドップリ浸かるとは思わなかった。


きっかけはyoutubeのゲーム実況動画。小さい子供にipadを与えるのが教育上よろしいかどうかの議論は置いといて、息子にとってそれはもやは欠かすことのできない情報ツールである。仮面ライダーや戦隊ヒーローのおもちゃの商品紹介動画、素人が作ったLEGOのコマ撮り動画。そしてゲーム実況。チャンネル登録しているyoutuberたちはテレビのヒーローに劣らない憧れの的である。

マインクラフトはLEGOによく似ている。四角いブロックを積み重ねて何でも好きなモノが作れる。
ウチの子がハマったのもまさにこの“クラフト”としてのゲーム性で、家にこもって「かまど」と「作業台」で作っては積む毎日である。基本的にビビリなので外にはあまり出ない。
そう、LEGOと決定的に違うのは敵が出てくること。特に夜になるとどこからともなくモンスターが湧いてきて、襲い掛かってくるのだ。戦闘の操作に慣れない4歳児にとってモンスターは圧倒的な恐怖の対象で、苦労してダイヤ装備を作ってやったにも関わらず、それを活用する日はなかなか訪れない。
マイクラを始めて一月ほど経つが、ずっとそんな調子であったのだ。ついこの間までは。

ある日、休日に息子と一緒にマイクラを始めると、ベッドを壊して持ち物に入れた。
マイクラを知らない人のために解説するが、このゲームでは一度設置したものをもう一度「持つ」には、砕いてアイテム化する必要がある。ベッドは非常に重要なアイテムで、設置して眠れば恐ろしいモンスターがたくさんいる夜をあっという間にやり過ごすことができるのだ。さらに言うと、死んだ時にリスポーン(生き返る)する場所としての意味がある。つまりこのゲームにおいて、「ベッドを持つ」ことは「セーブポイント確保する」ようなもの。絶対に欠かせないものなのだ。
端から見ていた私は戸惑った。
「え、ベッド壊しちゃうの?」
「ベッドもって(崖の)上にいくの」
「いやいやもう一個つくって持っていけば…」
「いいの!」
ゲーム的なことを考えるとこの選択はあまりにもいただけないのだが、正直私はうれしかったのだ。
マイクラのワールドがどれほど広いのか知らないが、少なくとも私は未だ一周したことがないくらい広大な世界である。今いる家を出て、新たな土地を開拓すべく、冒険の旅に出る気になった我が子の成長を微笑ましく感じたりしていたのだ。
大げさだって?
いやいや、全然そんなことないと思うよ。

さて、ベッドを手にして(大した装備もせず)旅に出た小さな勇者スティーブ。
崖を登ってずんずん歩く。
前方からゾンビが襲いかかってきた。それでも勇者は怯まない。
いつになく強気だな。
攻撃されてダメージを受ける。それでも勇者は怯まない。
??
というか戦う気もないし、逃げる素振りも見せない。
「おいおい、早く逃げないと!」
「いいの、一回死ぬの」
!!!?
「え?なんでベッドなくなっちゃうよ?」(死ぬと手持ちのアイテムは失う)
とか言ってるうちにオウオウ言ってスティーブ死亡ー

少々解説せねばなるまい。
このゲームでは死ぬとアイテムは失うが、リスポーンする時に体力は満タンの状態に戻っている。以前から私は、アイテムをチェストの中にしまった状態で何も持たずに死ねば、回復アイテムを使わなくてもいいじゃんという小賢しい方法を彼に教えていたのだ。それは小さな勇者もちゃんと理解していたはずだった。いつも家に帰るとまず何をおいてもチェストの中に収穫したアイテムをしまうという癖がしっかり染み付いていた。4歳児にしては驚くほど几帳面でセコい男だ。にも関わらず、ベッドという超重要アイテムを持っていることを忘れ、無抵抗のまま敵の攻撃に屈してしまった愚かな勇者。リスポーンしたのは全く見覚えのない土地。
パニックである。
泣き叫んで周りをグルグル回っている。
そばで見ていた私も焦る。
「ちょっと待て、お家は川の近くだったからこっちの方じゃ…」といって手を出すが、全くわからない。
「ちがうの!そっちじゃないの!死んだところに行きたいんだよう(絶叫)」
どうやら死んだ地点にアイテムが一定時間は転がっていることを理解しているようで、何とかベッドを回収したいようだ。
実況動画をさんざん観てきたおかげで知識だけは豊富な勇者。
しかしどう見ても先ほど死んだ地点の付近ではない。
「この川をずっと行ったら家に帰れるんじゃないの?」
泣きじゃくる息子をなだめながら川を進むが、一向に見覚えのある地形は見えてこない。
やがて夜がやってくる。
あの恐ろしい夜が…。

どうやら今すぐ家に帰ることは諦めざるをえないようだ。とりあえずこの夜を何とかしのがなくては。
土ブロックをたくさん積み上げて、スケルトンの矢もクモのジャンプも届かない高い高い塔を作る。ここで朝までやり過ごすことに。
遠くまで見渡しても全く見覚えはない。
少し落ち着いてきていた息子が再びポロポロと泣きだした。
「くやしいよー。かなしいよー。せっかくパパがお家をつくってくれたのにい(号泣)」
なんて切ないこと言うんだコイツは。こっちまで泣きそうだ。
大丈夫だよ。また新しいお家を作ればいいじゃん。このワールドは全部おまえのものなんだから。好きなだけ何個も家を作っていいんだよ。いつかまたあのお家も見つかるかもしれないし。ゆっくり一緒に探せばいいんだよ。
うん、わかった。ありがとう。

なんつうか、もうたまんなく切なかった。
こんな恥ずかしいブログを書いちゃうくらい切なかったのよ。

夜が明けて、気を取り直した小さな勇者は木を切り始めた。
以前から作りたがっていた木造の家を建てるのだそうだ。幸い周りに木はたくさんある。
まだ屋根はできていない。ベッドもない。
「クモが上から入ってきちゃうかもしれないよ」
「大丈夫だよ。スポーンするとこ近いもん。塔あるし」
あの高い土の塔は壊さずに残しておくことにした。
わざと落っこちて(死ぬけど)遠くから目印としてみえるようにしたのだ。
新しい家の近くにオオカミがいる。骨をあげて懐かせようとしているらしい。こういう知識だけはやたら豊富。

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なんだかちょっとだけ頼もしくなったような気がするけど、気のせいかな。
また泣くなきっと。
まあ頑張れよ。