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饅頭こわい お茶こわい

本好きのただの日記。こわいこわいで食べ放題。

よしながふみ「大奥」11巻まで読んで今後の展開を予想してみる

前回は、よしながふみ「大奥」の主要な人物と出来事について、史実との比較を長々と書いたが、
今回は大胆にも、今後(12巻以降)の展開予想をしてみようと思う。

ちなみに私は単行本派。連載誌は読んでない。

 



黒木良順青海伊兵衛
青沼亡き後、この物語の非常に重要な人物となった黒木良順と青海伊兵衛。この二人はおそらくオリジナルキャラっぽいが、せめてモデルくらいはいるんじゃないかと思ってググってみた。「黒木良順」で検索すると「島本良順」という名前の人物が引っかかった。調べてみるとまさにこの時代(寛政年間)の人だ。

 

島本良順は元々漢方医だったが、長崎で蘭学を学んで佐賀藩医学寮の初代寮監となった人。
む?
その弟子の伊東玄朴は江戸で初めて種痘を行って天然痘撲滅への道を開いた人物だ。彼は後に幕府の奥医師となっている。
むむ?。
「良順」って名前で偶然引っかかっただけの人物が天然痘にこれだけ関係している。

徳川家斉征夷大将軍となったのが1787年。
良順が長崎から帰って佐賀で蘭学塾を開いたのが1795年。
ジェンナーが牛痘に成功したのが1796年。
伊東玄朴が良順に師事したのが1822年。
良順が佐賀藩医学館の寮監になったのが1834年
中村涼庵が佐賀藩鍋島直正の子に種痘を成功させたのが1837年。

うーむ。
この島本良順が「黒木良順」のモデルとなった人なんではなかろうか。
「赤面疱瘡」は天然痘をモデルにしてできたものであろうし、作者のよしながふみがこのへんの天然痘研究者たちを知らないわけはないと思うのよ。


ここで今後の展開の予想をしてみたいと思う。
11巻の巻末に次巻予告が載っている。
一番目立つコマには黒木の「天文方…」というセリフ。
この時代で「天文方」が関係してきそうな事柄といえばやはりシーボルト事件だろう。
1828年、オランダ商館付きの医師 シーボルトは帰国直前、国外持ち出し禁止の日本地図を所持していたことが発覚し、国外追放となった。地図を送ったのは幕府天文方 高橋景保。このとき景安から地図をシーボルトに渡すよう頼まれたのが、シーボルト鳴滝塾門下であった勘造という男。事件の追求を逃れるために名乗ったのが伊東玄朴という名である。
松平定信が禁じて以来、蘭学はずっと厳しい圧力をかけられてきたが、この事件はそれをますます後押しする形となる。
さて、この事件が黒木とどう関わってくるのだろう。
かなり大胆な予想をしてみよう。
黒木が幕府天文方 高橋景保からシーボルトに日本地図を渡すよう依頼される。黒木はそれを、長崎に行く用があった伊兵衛に託す。伊兵衛はシーボルトに地図を渡すが、後にそれが発覚。伊兵衛は佐賀藩の伊東仁兵衛の二男 玄朴として自首し無罪放免となるが、黒木は投獄され、やがて獄死する。黒木の意志を継いだ伊東玄朴(伊兵衛)がお玉ヶ池種痘所をつくって種痘を成功させる。

(参考資料として。とても興味深い記事。 http://www3.saga-s.co.jp/pub/hodo/kaikaku/kaikaku18.html

 



いかがでしょう。
これまで「大奥」を読んできた読者なら、この予想がかなり無茶なものだってのはわかるはず。
なぜなら作者よしながふみは、この物語において、実在の人物や事件をほぼ改変することなく描いてきたから。オリジナルキャラクターである伊兵衛を実在の人物に繋げるってことはしないと思うんです。
まあ、今後この二人が、この物語にとって非常に重要な役割を担っていくことは間違いなかろうし、もしちょっとでも当たってたら誰か褒めてください。

 

 

興味ある人はこちら↓も読んでもらえるとありがたい。長いけど。