饅頭こわい お茶こわい

本好きのただの日記。こわいこわいで食べ放題。

速読術を身につけようとしたけど諦めた話

わたくし本を読むのが好きで、それは自分にとってとても大切な時間だと思っている。

が、いかんせん読むのが遅い。まとまった時間をとるのが難しいせいもあって、読書量は月に2冊くらい。年間20〜30冊程度。もっともっとたくさん読みたいと思っているが、集中力にかける自分は本を読んでいる時につい別のことを考え込んでしまうことが結構ある。

例えば本の主人公が「デスクの整理ができなくて悩んでいるシーン」があるとする。

あー、あるある、おれも出来ないんだよなあと考える。するとここから壮大な連想ゲームが始まる。

 

おれも出来ないけど会社の後輩でもっと出来ない奴がいるな。あいつ本当他人のこと考えてないから自分さえわかっていればみたいなデータ整理しかしなくて周りは迷惑してるんだよな。そういえばあのデータはどこのフォルダにいれたのかな。明日確認してプリントアウトしておかないと。ああプリンタが調子悪いんだった。なんか大学のときも同じようなことがあったな。宮田(仮名)がプリンタ壊したんだよ。あれは面白かったな。ボタン一つ押しただけで機械を壊すことのできる特殊な能力を持ってるヤツだった。そういえばあいつ今なにしてるんだろ。全然連絡とってないな。居酒屋で一緒にバイトしてたから仲良くなったんだった。バイトといえばワインのコルクがうまく開けられなくて恥ずかしい思いしたことがあったな。客のかばんにワイン注いじゃったし。先輩にすげー怒られて。あの先輩、やたら絵がうまくて憧れてたんだよな。漫画家なみにうまい絵だった。漫画といえば…

 

はたと我に返る。なんで自分は漫画のことを考えているんだろう。思考がここまで及んだ経緯がさっぱりつかめない。

なんてことが結構ある。ああ時間がもったいない。読みたい本はいっぱいあるのに。もともと読むのが遅いのも手伝って手元のページはいっこうに進まないのだ。

こうして私は速読に興味を持った。

 数ある速読関連本の中から選んだのは苫米地英人の『ほんとうに頭がよくなる「速読脳」のつくり方』。 

ほんとうに頭がよくなる「速読脳」のつくり方 (PHP文庫)

 

 速読にもいろいろあるようで、拾い読みや読み飛ばし(フォトリーディングやキーワードリーディング)で速度を上げる技術が一般的に知られているテクニックなようだ。

だが私は読むのが好きで本を開くのであって、情報収集のための読書という意味は薄いのでそれはしたくなかった。この本を選んだのは読み飛ばしをせずにきちんと内容を堪能できる速読法を売りにしていたからだ。だが私はこの本を読み始めてわりと早い段階でこれは自分には無理だと思い知ることになる。

 

以下、引用

 

みなさんは、私が最近出した本の中に『FREE経済学入門』(フォレスト出版)という本があるのをご存知でしょうか?

 同書は日米でベストセラーとなったクリス・アンダーソン著『FREE』(日本放送出版協会)を題材にした内容となっており、『FREE』には書かれていないフリー(=無料)経済の裏のからくりや盲点、真実をかなり赤裸々に明かしたものとなっています。

 こうした内容のため、私も執筆にあたる前に『FREE』を読んでいます。しかし、350ページほどのこの本を、何分で読んだかといえば、たぶん5分ほどで読んでいるのです。

(中略)

 ではそのとき使った速読術とはどんなテクニックだったのか? みなさんが知りたいのはそこだと思います。種明かしをしますと、答えはとても簡単。特別な速読術を使ったわけではありません。著者のクリス・アンダーソンと同じか、恐らく私のほうがフリー経済学について詳しい知識があったから、わずか5分で『FREE』が読めたというだけの話です。

 がっかりしましたか? しかし、これが速読術の一つの真実です。

 350ページもの本を5分で読みきるには、読者側がもともともっている知識量がなにより大切なのです。

(中略)

 速読とはもともともっている知識量がすべてー。 ということは、普通の速度でまず大量に本を読んでいないと、速読はできないという理屈になります。

 

速く読めるようになるにはたくさん読めと?  むむむう。たくさん読みたいから速く読めるようになりたいのに。

こんなことも書いてあった。

 

多少無理してでもいいので、「速く読もう」と思って読んでみて下さい。すると、思った以上に速く読めることがわかると思います。

  最初は疲れるかもしれません。しかし、慣れてくれば、読書所要時間を半分近くにまで縮めることはそれほど難しいことではありません。

 4時間かかっていた人は2時間、3時間かかっていた人なら1時間半。速読のテクニックも使わず、早く読もうとただ意識するだけで、これは実現できてしまうレベルなのです。

 

疲れる読書はしたくないな。というわけで、ものぐさな私は速読をあきらめました。まあ疲れない程度にやってみようとは思います。

以上、目を引く言葉ばかり拾ったので誤解されるかもしれないな。

それは本意ではないので書きますが、この本は本気で速読を身につけたい人にはとてもいい本だと思う。普段からのトレーニングの方法や読書の際の注意点など、非常に解りやすく納得のいく良書だ。内容はただ速く読むということだけにとどまらず、果ては世界平和にまで及ぶ。得た知識の使い方や、速読によって脳を活性化させること自体が重要だとする考え方も非常に興味深いものだった。

 

ではトレーニング方法を一つだけ紹介。

「レストランに入ってメニューを1秒で決める」

本を速く読むには、目にした文字を素早くイメージ(頭の中で映像化)することが重要で、メニュー即決はとてもいいトレーニングになるらしい。

 

雑な説明だが、是非読んで欲しいと思う一冊です。

 

 

 

 

 

速読こわい、読書こわい。